診療科より
うちの子見えてるの?
2011年10月06日
2011年10月06日
ワンちゃん、ネコちゃんが見えているか、見えていないか?
慣れた環境で過ごしていると
本当に見えなく(もしくは見えづらく)なるまで
周りからは気づきにくいことがあります。
特に片眼だけが見えなくなっていた場合などは、
ほとんど変わりのない生活をしてしまうため、
注意深く観察しないと見過ごしてしまう場合があります。
見えているかの判断には病院での眼科検査を受けていただきたいですが、
普段ご自宅で試してもらえる方法をご紹介できればと思います。
まず観察していただきたいのは、
・ ぶつかることはないか?
・ 暗い場所で動きが悪くなることはないか?
・ 知らない場所で動かなくなることはないか?
などの症状がないか見てあげてください。
進行する視力低下の初期の段階では
暗い場所での見にくさが出るものがあります。
また病院で行う検査の中で、簡易に行える検査として以下のようなものがあります。
威嚇瞬き反応
眼に物が近づくことで、眼をつぶる反応をみます。
実際には風を起こさないように手を近づけてみて反応をみます。

眩目反射
強い光を眼に当てることで、眩しいと感じて瞬きをする反射をみます。

瞳孔対光反射
眼に光が入ることで、瞳孔が縮まる反射をみます。

どの検査も、見えている、もしくは光を感じていることの確認となります。
見にくくなる眼の病気には、進行するもの、反対眼にも出てくるもの、
また、全身の病気から出てくるものなどもありますので
何か気づかれることがあれば一度ご相談ください。
目薬のさし方
2011年07月26日
2011年07月26日
スタッフブログでもお話したことがありますが
目薬の点し方についてこちらでもう一度ご紹介させて頂きます。
眼の病気の治療をしていく中でに欠かせないのが目薬です。
目薬をさす、といっても病院の診察台の上と違って
なかなかうまくささせてくれない子もいるかと思います。
目薬をさす際のちょっとしたコツと、
ご自宅で気をつけていただきたい点についてお話します。
まず「ワンちゃんネコちゃんとどう向き合うか」ですが、
正面から向かい合ってささないであげてないで下さい。
(もちろん、向かい合っても嫌がらない子はかまいません。)
目の前から目薬を持ってにじり寄られたら
我々人間でも引いてしまいますよね・・・。
そこで目薬をさす際は「後ろ」からさしてあげてほしいのです。
右利きの方なら、そっと後ろから下あごに左手を添えてもらって、
少し上を向かせてあげてください。
右手の小指もしくは根元で上まぶたをそろっと持ち上げてあげてください。
(眼の上側の白目の部分が見える状態になります。)


まず目薬を持たずにこの体勢が作れるように練習してみてください。
この体勢が出来れば、あとは右手で目薬を落としてあげてください。
目薬を使用する際に覚えておいて頂きたいこととして以下のことがあります。
① 2種類以上の目薬をさす場合はそれぞれの間隔を少なくても5分以上あけてください。
多くの目薬は、5分くらいで眼の中へ染み込んでいきます。
すぐに次の目薬をさしてしまうと、2つの目薬が混ざって薄まり
どちらも十分な効果が出ない可能性があります。
② 目薬の先が手や動物に触れないようにしてください。
触れる事で、目薬の先についた汚れや細菌が目薬の中に入ってしまいます。
透明な目薬に濁りが出ていた場合には、使わずに病院へご連絡下さい。
③冷蔵保存のものは必ず冷蔵しておいて下さい。
冷蔵保存のものを常温にしておくと薬の効果がなくなってしまう可能性があります。
(逆に、冷蔵禁止のものでなければ、基本的に室温保存のものを冷蔵してもかまいません。)
※ ただし、冷蔵の目薬をそのままさすとその冷たさが嫌で次からささせてくれなくなる子もいます。
冷蔵の場合はさす前に少し手で握って温めてあげてもらうと違和感が減らせるかもしれません。
④目薬が眼のまわりについた場合はやさしく拭き取ってあげてください。
まぶたや眼の周りの皮膚に目薬をつけたままにしておくと、皮膚がかぶれる場合があります。
⑤目薬をつけた直後に気にして眼を掻いてしまう場合は、しばらく付いていてもらうかエリザベスカラーを使ってあげてください。
せっかく目薬をさしても掻いて眼を傷つけてしまうと、さらに治療が長引く結果となってしまうことがあります。
⑥その他、目薬をさし始めて目が赤くなった、白くなった、まぶたがはれた、涙・目やにが増えたなど症状の悪化がみられた場合はすぐに病院にご連絡下さい。
目薬に限りませんが、全ての薬は体に合わない可能性があります。
目薬を使っていく中で具体的に不都合な点がありましたら、スタッフまでご相談下さい。
その子その子によって困る点は違いますよね。
目薬をささせてくれない子が少しでも減れば幸いです。
(今回は、スタッフ犬の珍平くんが協力してくれました。)
はじめに
2011年07月26日
2011年07月26日
こんにちは、獣医師の福永です。
こちらでは、眼の病気やその治療、ご自宅での管理について
お役に立ちそうなことをお伝えしていこうと思います。
また眼についての面白い情報などがあれば同時に掲載する予定です。
不定期ですが継続していきたいと思いますのでお付き合い下さい。
尚、こちらに記載する内容については
なるべく広く一般的な情報を取り入れて
不都合の無い事をお伝えするよう努力いたしますが、
必ずしも全ての子に当てはまらない場合や、
反対の意見などを聞かれる場合があると思いますので
“参考”にして置いて頂ければと思います。
少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。