ヒトではすっかり一般的になっている白内障の手術ですが
動物たちではどうでしょうか?
皆さんが耳にされ、ご存知の病気かとは思いますが、
白内障とは眼球の中の「水晶体」が白く濁って光を通しにくくなり、
視力に問題の出る病気です。
濁りの程度が進むことでどんどん見えにくくなり、
濁りの程度が進むことでどんどん見えにくくなり、
全体が真っ白に濁ると見えなくなってしまいます。
白内障は、ワンちゃんの病気としては比較的よくみられ、
白内障は、ワンちゃんの病気としては比較的よくみられ、
ネコちゃんではあまり多くはありません。
原因としては、ヒトでは年齢に伴うものが一般的かと思いますが、
ワンちゃんで問題になるものでは遺伝によるものが多いとされ、
原因としては、ヒトでは年齢に伴うものが一般的かと思いますが、
ワンちゃんで問題になるものでは遺伝によるものが多いとされ、
若いうちにみられることも少なくありません。
もちろん加齢によるものもみられますし、
他に糖尿病によるものや、網膜の病気からくるもの、
もちろん加齢によるものもみられますし、
他に糖尿病によるものや、網膜の病気からくるもの、
放射線治療や目のレーザー治療が原因するものなどが挙げられます。
目が白くなってきた場合にどうすればよいかですが、
まずは、その白さが白内障すなわち水晶体の濁りかどうか確かめることが重要です。
白くなる場所は水晶体の他に角膜や前眼房と呼ばれる水晶体の前の部分もあり、
この場合には他の病気の可能性も考えられます。
また逆に、白くないのに見えなくなってきた場合には
水晶体の後ろの網膜や視神経などの
光を受け取って脳に伝える部分の病気も考えなくてはいけません。
今みられる症状がどの部分の悪さなのかきちんと診断する必要があります。
診断の上、白内障だと分かった時に治療に入りますが、
現在にところ、白内障の根本的治療は手術しかありません。
これはヒトと同じかと思います。
年齢に伴う白内障の進行を遅らせる目的の目薬はありますが、
白くなってしまった水晶体を元の透明なものに戻す治療ではありません。
濁ってしまった(タンパク質が変性してしまった)部分は物理的に取り除く必要があります。
手術前手術後
ワンちゃんにおける白内障手術も基本的な手術方法などはヒトと同じなのですが、
ヒトの手術と違う点がいくつかあります。
まず全身麻酔が必要な点です。
ヒトの場合には目のまわりだけに局所麻酔をして手術することが可能で、
比較的短時間で終わり、日帰りでの手術などもあるかと思います。
ワンちゃんの場合、局所麻酔で顔を動かさずにじっとしていてもらうことは不可能ですので
ヒトの手術と違う点がいくつかあります。
まず全身麻酔が必要な点です。
ヒトの場合には目のまわりだけに局所麻酔をして手術することが可能で、
比較的短時間で終わり、日帰りでの手術などもあるかと思います。
ワンちゃんの場合、局所麻酔で顔を動かさずにじっとしていてもらうことは不可能ですので
全身麻酔は欠かせません。
その他、目を掻いてしまわないようにエリザベスカラーが必要になりますし、
点眼も自分ではできないので、飼い主様に差して頂く必要があります。

その他、目を掻いてしまわないようにエリザベスカラーが必要になりますし、
点眼も自分ではできないので、飼い主様に差して頂く必要があります。

また、合併症もヒトの手術よりは多くなります。
白内障が動物自身の訴えではないために
ヒトの場合よりも進行してから気付いて手術になることが多く、
また構造の違いもあって、ヒトの手術に比べ合併症の確率が高くなっています。
手術に伴う合併症を減らすためには
手術に伴う合併症を減らすためには
なるべく手術に適した時期を見逃さないことが重要です。
それにはまず普段からよく目を観察して頂き、異変に気付くことが第一です。
白内障は時間の経過とともに進行する疾患であり、
早期発見により早い時期から経過をみることができれば
手術に適した時期を見極めることができます。
では、治療(手術)しなければどうなるのでしょうか?
白内障は視力障害のみではなく、
水晶体のトラブルが目の中の他の部分に影響することで、
炎症を起こしたり(水晶体起因性ブドウ膜炎)、水晶体がずれてしまったり(水晶体脱臼)、
それらに続いて緑内障などの合併症を引き起こしたりすることがあります。
これらは痛みなどの症状を伴うことがあり、
これらは痛みなどの症状を伴うことがあり、
手術を受けない場合でも、そのまま様子をみるだけではなく、
合併症の予防および治療が推奨されます。
白内障は手術により治療が可能な病気です。
まだまだその事をご存知でない方も多いかと思います。
手術で治すという選択肢があることを知って頂くことで、
良い視覚を維持できる子が多くなればよいなと思っております。