こんにちは、獣医師の福永です。
前回まで眼科のことを書いておりましたが
眼科の情報は別のページにてこれからもお伝えいたしますので
参考にして頂ければ幸いです。
(準備が出来ましたらまたお知らせいたします。)
こちらのブログでは、眼以外のことも含めて
言葉だけでも知っていて頂いて損はない病気について
書かせて頂ければと思います。
今回は、避妊手術を受けていない女の子の病気
「子宮蓄膿症」についてです。
聞いていただいた事があるかもしれませんが、
文字通り子宮に膿がたまる病気で、命に関わる病気の1つです。
時期としては、発情の出血が終わった後(黄体期(発情休止期)とその直後)に起こりやすく、
症状としては、食欲不振や元気の低下、嘔吐、尿量の増加、飲水量の増加、また膿状のおりものがみられる子もいます。
子宮蓄膿症の発症は年齢とともに多くなり、
特に7、8歳をすぎた子で多くなります。
子宮蓄膿症の動物は免疫が弱まっている状態となっており、
治療を受けないと大腸菌などの細菌や、
それらの細菌が産生する毒素が血流に乗って
全身に広がり(敗血症やエンドトキシン血症)、
低体温やショック状態へと進行します。
治療は点滴や抗生剤の投与、
そして原因となる子宮を摘出する手術となります。
もちろん、全身の調子が悪くなってからの麻酔、手術ではリスクが高くなります。
予防としては、この病気が起こる前の避妊手術がすすめられます。
避妊手術は、健康な子に麻酔をかけて手術することになりますが、
妊娠を避ける目的以外にも、
このようないくつかの病気を避ける大事な予防方法となります。
避妊手術を受けていない女の子の飼い主さんは、
もしこのような症状がみられた際には一度ご相談ください
次は、4月より診察に加わっていてくれている智先生にお願いします