Category: 眼科
眼が赤いとき
眼が赤い。
よくある症状ですが、実にさまざまな状況が考えられます。
一時的で、数時間後にはすっかり引いているようなものであれば
人と同じように一時的な乾燥やゴミなどによるもの、興奮などが考えられ
大きな問題はないと考えられますが、
赤い眼は視覚に重大な問題を及ぼす病気の初期症状であることもあります。
見落としてしまうと怖い病気として、
白目が赤くなるものの中に「緑内障」が含まれます。
症状が進行すると赤みの程度はひどくなりますが、
初期の場合には軽い赤み以外に症状が見られないこともあります。
緑内障は徐々に(時には急に)進行する病気であり、いずれ失明に至ります。
またひどい痛みを起こす病気でもあり、
早い段階で気付いてあげられると、なるべく進行を遅らせるような治療が行えます。
また、黒目が赤くなるものの中に「眼の中の出血」があります。
外傷、眼の中の炎症、腫瘍、網膜剥離などが原因として考えられ、
出血を起こすほどのものであれば、やはり失明に至るものが少なくありません。
ちょっと眼が赤いな、という症状も、なかなか治りにくいようであれば
一度検査を受けていただくことをお薦めいたします。
眼科検診を受けませんか?
動物の眼の病気にはヒトと同じもの、違うものなど様々なものがありますが、
ワンちゃんの眼の病気の場合、実にその8割は遺伝性の病気だといわれています。
その中には、
トイプードル、ミニチュアシュナウザーなどの白内障、
柴犬、シーズーなどの緑内障、
ミニチュアダックスフンド、トイプードルなどの進行性網膜萎縮
など進行すると失明につながる病気も少なくありません。
眼の病気は初期段階では大きな症状を示さないことがあり、
また徐々に進んでいくものが多く、発症年齢が遅いものもあるため、
気づかないうちに進行してしまっていることもしばしばみられます。
そのため、海外では 「アイチェック」 として、その他の全身の健康診断と同じように、
定期的に検査を受けることが推奨されています。
ご自宅では気づかなかった眼のトラブルを早期に発見し、適切な治療をすることで、
早期の治癒や治らない病気でもその進行を遅らせることなどが期待できます。
そのために、ぜひ定期的な検診を受けて頂くことをおすすめします。
当院でも眼科検診として、半日お預りさせていただいて
眼をひと通り診る検査を行っております。
外貌の確認から涙液量検査、眼圧検査、
フルオレセイン染色や細隙灯顕微鏡を用いた角膜・前眼部検査、
および後眼部・眼底検査、必要な場合エコー検査などを行います。
眼科検診はご予約にて行なっておりますので、一度お問い合わせください。
うちの子見えてるの?
ワンちゃん、ネコちゃんが見えているか、見えていないか?
慣れた環境で過ごしていると
本当に見えなく(もしくは見えづらく)なるまで
周りからは気づきにくいことがあります。
特に片眼だけが見えなくなっていた場合などは、
ほとんど変わりのない生活をしてしまうため、
注意深く観察しないと見過ごしてしまう場合があります。
見えているかの判断には病院での眼科検査を受けていただきたいですが、
普段ご自宅で試してもらえる方法をご紹介できればと思います。
まず観察していただきたいのは、
・ ぶつかることはないか?
・ 暗い場所で動きが悪くなることはないか?
・ 知らない場所で動かなくなることはないか?
などの症状がないか見てあげてください。
進行する視力低下の初期の段階では
暗い場所での見にくさが出るものがあります。
また病院で行う検査の中で、簡易に行える検査として以下のようなものがあります。
威嚇瞬き反応
眼に物が近づくことで、眼をつぶる反応をみます。
実際には風を起こさないように手を近づけてみて反応をみます。
眩目反射
強い光を眼に当てることで、眩しいと感じて瞬きをする反射をみます。
瞳孔対光反射
眼に光が入ることで、瞳孔が縮まる反射をみます。
どの検査も、見えている、もしくは光を感じていることの確認となります。
見にくくなる眼の病気には、進行するもの、反対眼にも出てくるもの、
また、全身の病気から出てくるものなどもありますので
何か気づかれることがあれば一度ご相談ください。